毎日多くの電気を消費するオフィス・事務所において、節電対策はとても重要です。しかし、毎月の請求書を見ただけでは、オフィスのどこで電気が無駄に使われているのかわかりません。そこでおすすめなのが、電気の「見える化」です。ここでは、電気の「見える化」とはどういうことなのか、そしてどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
■オフィスの平均的な電気代は?
最初に、オフィスはどのくらいの電気代がかかるものなのかを確認しておきましょう。あくまでも目安ですが、広さ10坪・従業員5人~6人程度の小規模なオフィスの場合、電気代の相場は月2万円程度です。これは1日10時間の稼働を想定しているので、より長時間稼働しているオフィスならさらに高くなります。
また、面積が広くなればその分だけ電気代も上がっていきますが、20坪なら4万円、30坪なら6万円……という正比例にはなりません。坪数に対する電気代の上昇は緩やかで、広さ75坪~80坪、従業員50人程度のオフィスで月8万円前後になります。
もし、毎月の電気代がこの相場を上回っているなら、どこかで電気の無駄が発生していると考えた方がいいでしょう。もちろん、使用しているOA機器の数や、照明・空調の省エネ性能などの影響も受けるため、相場を超えているからといって無駄遣いをしているとは限りません。その辺りも含め、電気の使用状況を詳しくチェックすることが節電の第一歩となります。
■電気の「見える化」とは?
節電対策をする上で最も有効な手段が、電気の「見える化」です。見える化とは、今まさに目の前で稼働している電気機器が、どれだけの電気を消費しているのかをリアルタイムでチェックできるシステムのことを指します。
従来だと、電気代は請求書でまとめて確認するのが一般的でした。月々の消費電力の総量はわかっても、どの電気機器で、どのコンセントで、どの部屋で、どれくらいの電気を使用しているのかを把握することはできなかったのです。しかし、見える化を実現すれば、これらの情報を知りたい時に自由に確認できるようになります。
見える化の具体的な方法はいくつかありますが、最も導入しやすいのは「スマートメーター」です。スマートメーターは計測データの通信機能を備えた電力量計で、ウェブサイトなどを通じて電気の使用状況や料金を30分単位で知ることができます。2024年までには、すべての電力会社が従来の電力量計をスマートメーターに交換する予定です。
また、オフィスならBEMS(ベムス、Building Energy Management System)を導入してみてもいいでしょう。BEMSはビルエネルギーの管理システムで、計測器の設置により各機器の運転状況や電気の消費量などを把握できるようになります。長期的にデータを収集・保存しグラフ化すれば、電気の消費状況をより詳細にチェックすることが可能です。
■電気使用量を見える化するメリット
電気の見える化は、オフィスに多くのメリットをもたらしてくれます。特に重要なメリットは以下の2つです。
・電気代を削減すべき箇所を見つけられる
見える化すれば機器単位、エリア単位、コンセント単位で電気使用量を確認できるようになるため、電気を使いすぎている場所や時間帯が一目で把握できるようになります。問題のある機器を省エネ性能の高いものに変えたり、無駄な使用を控えたりすることで、効率よく電気代を削減できるのです。
・過剰な節電による生産性低下を防げる
オフィスの電気代が高いからといってやみくもに節電すると、あまり節約にならないどころか生産性を低下させる可能性があります。たとえば過度に照明を暗くしたり、空調の設定温度を高く・低くしたりしている会社は少なくないでしょう。実際はもっと無駄な箇所があるのに、こういった必要な部分の電気を削っていては、社員に負担がかかるだけです。
その点、電気を見える化すれば、問題ない部分の不要な節電を防ぐことができます。必要な部分にはしっかりと電気を使って生産性を保ちつつ、本当に無駄が発生している箇所を探して改善する。これこそが理想的な節電といっていいでしょう。
このように電気の見える化は、オフィスの電気代削減を大いに助けてくれます。電気の無駄な消費をなくせば環境保護にもつながり、従業員の意識も高まるため、積極的に導入してみてはいかがでしょうか。
埼玉県さいたま市の石田電気工事では、オフィスの電気を見える化するための工事が可能です。また、電気を無駄に使っている箇所が見つかれば、それを削減するための工事もすべてお引き受けできます。電気工事のすべてに携われるからこそ、根本的な課題を把握し、電気工事を通して解決できるのです。電気代のことでお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。