PASの交換はいつする?

事業所などの敷地に建っている電柱の上部に、黒い箱のようなものがついているのをご覧になったことがありますか。これはPASという機器で、高圧需要家のお客様が電気を安全に使うための重要な設備です。PASは定期的な交換が必要ですが、どのくらいの頻度で交換するのでしょうか。PASの役割と併せて、この記事でご紹介します。




■PASとは?PASの役割とは?



PAS(Pole Air Switch=気中負荷開閉器)とは、電力会社設備とお客様側設備の境目に当たる「責任分界点」に設置される、電気の保護装置をさします。


電気が供給される時は、電力会社が建てた電柱から、敷地内に建つ電柱(1号柱)に配線された電線を通じて電気が届きます。PASは、1号柱の上に設置されている設備です。敷地内に電柱がない場合は、地中引込タイプの機器が使われるため、目にする事はありません。


PASの主な役割は、電気トラブルの発生時に波及事故を防止し、周囲まで影響が及ばないようにすることです。PASを設置している事業所の多くは、キュービクルも設置していますが、キュービクルに搭載されているVCB(真空遮断機)やLBS(負荷開閉器)などの保護装置では、キュービクル内の保護しかできません。キュービクルとつながっている高圧ケーブルが原因となる事故は、キュービクル内の保護装置では防ぐことができません。


PASとセットで設置されるSOG(制御器)が動作することでPASが機能し、事故電流を検知し回路を解放します。これにより、事故による周囲の停電を防げるのです。




■PASの交換はいつすればいいのか?



PASは電柱の上部に設置されるため、常に風雨にさらされています。正常な動作を維持するために、交換推奨時期が設けられています。


PASの交換推奨時期は、設置後10年から15年程度だとされています。関東エリアを管轄している関東東北産業保安監督部が発表した統計データでは、PASを設置してから10年を超えると、事故発生件数が増えることが分かっています。


推奨時期に交換をしなかった場合の事例として、設置後27年が経過したPASで、サビが原因で開いた穴から水が入り、絶縁不良を起こしたという事故があります。波及事故が発生した現場のうち、6割程度でPASが設置されていなかったとの統計結果も出ているのです。これらの事例から、適切な時期での交換が重要であることが分かります。




■PASは定期的な点検も必要です!


PASは、外見上では異常がないように見えても、内部でサビや絶縁低下などの不具合が起こっているケースも多いです。万が一の事故を防ぎ電気を安全に使うために、最低でも3年に1度は点検を受けるようにしましょう。更新時期が過ぎていれば、1年に1度の点検が目安です。


埼玉県さいたま市にある石田電気工事でも、PAS交換のご依頼を承っております。直接のお問い合わせやご相談も受け付けておりますので、お気軽にご一報ください。


保安点検が義務となっているキュービクルの点検時に、PASの設置後20年経過したことで、交換について保安協会から指摘を受けたとのご依頼もいただいております。事故の危険性も考え、なるべく早い段階での交換をお勧めいたします。保安協会を通さなくとも、直接でのご連絡・ご相談が可能です。

さいたま市の石田電気工事は、現地の事前調査をしっかりと行い、最適なご提案をいたします。PASの交換をはじめとして、電気設備や空調設備工事一式に対応しております。店舗やオフィス、工場の空調設備や電気に関わるお困りごとがあれば、まずは一度ご相談ください。