皆さんこんにちは。埼玉県さいたま市で、オール電化や省エネ対策、リフォーム等の電気工事一式を手掛けている石田電気工事です。
電気自動車は、環境保護の観点から普及が期待されています。海外では、電気自動車の導入台数が少しずつ増えているものの、日本の現状では普及率が低いままです。普及が進まない理由はいくつかあるのですが、今後は個人宅だけではなく企業にも電気自動車の導入が求められると推測されます。電気自動車の稼働にはEV充電器が必須であり、電気自動車とEV充電器の導入を同時に進めなくてはなりません。
この記事で、企業が電気自動車を導入する重要性や、EV充電器の導入について考えてみましょう。
■日本国内における電気自動車の普及率の現状は?
最初に、日本国内の電気自動車普及率を見てみましょう。
一般社団法人日本自動車販売協会連合会の発表によると、2022年の年間新車販売台数は、およそ222万3,000台でした。このうち、電気自動車(EV)はおよそ3万1,600台であり、全体に占める割合はわずか1.4%にとどまっているのです。2021年の割合は全体の0.9%であったことから、微増している結果が分かりますが、諸外国に比べ普及しているとは言い難い状況です。
一方、海外に目を向けてみると、2022年の自動車販売に占めるバッテリー式電気自動車(BEV)の割合は、アメリカが2.9%・イギリスが16.6%・ヨーロッパ全体で見ると11%・中国では19%と、日本を大きく上回っています。イギリスの人口は、日本の半分ほどであることからも、高い普及率であることが分かります。
■電気自動車の普及が進まないのはなぜ?
日本で、電気自動車の普及がなかなか進まないのは、どのような理由が関係しているのでしょうか。主な理由を3つ紹介します。
・車両価格が高い
電気自動車は、一般的なガソリン車よりも車両価格が高く、購入のハードルが高くなっていることが、大きな理由となっています。安価なモデルであっても300万円を超えることから、消費者が躊躇してしまうのです。
国や自治体から、電気自動車の購入補助金が交付されることで、消費者の負担を減らす仕組みも構築されています。ただ、補助金には上限額があるうえ、車両やグレードによって交付額は異なります。
電気自動車の価格が高いのは、ガソリンに置き換わる充電池の価格が高いためです。当面の間は、ガソリン車並みの価格になるのは難しいでしょう。
・航続距離が短い
ガソリン車に比べ、電気自動車は航続距離がおよそ半分ほどしかありません。ガソリン車の航続距離は600km以上が一般的であるのに対し、現状の電気自動車は200kmほどの車種(近距離走行を想定)もしくは400kmから500kmほどの車種(長距離走行を想定)に分かれています。
自動車のカタログには、航続距離も掲載されていますが、実際の航続距離はカタログに掲載された数値の7割程度が目安です。加えて、エアコンの使用や上り坂・下り坂などによっても航続距離は変わり、この点はガソリン車と同様です。
・充電設備(充電インフラ)がそれほど普及・整備されていない
ガソリン車を動かすにはガソリンが必要ですが、電気自動車では充電設備で充電して走行します。電気自動車の充電は、急速充電と普通充電の2種類がありますが、現在の日本では充電設備の普及も遅れています。
急速充電器は、立ち寄る人が多い高速道路のサービスエリア・ショッピングモール・道の駅・コンビニなどで設置されるようになりましたが、地域によって設置数に大きな開きがあります。ガソリンスタンドの数に近づくには、時間がかかるでしょう。
■今後の動向では、電気自動車の普及は絶対?
カーボンニュートラルを目的として、日本政府は電気自動車の販売比率を高める目標を掲げています。具体的には、乗用車の新車販売に占める電気自動車の割合を、2035年までに100%にしたいと考えているのです。このため、電気自動車をはじめとするエコカーの普及はさらに進むと予想されます。
電気自動車のバッテリーは改良が進んでおり、航続距離は以前より伸びているものの、車を使った長距離移動がなくなることはありません。このため、経路充電の需要が増えると予想されています。
乗用車は電動化の流れが進む一方で、トラックは走行距離の長さや導入コストの問題などから、電動化が進んでいませんでした。しかし、航続距離の改善や電池交換式トラックの導入、国による補助政策の強化などにより、トラックの電動化が進み始めています。
トラック向け電動自動車(以下:EVトラック)の需要が、中国で大幅に伸びているほか、アメリカのEVトラックメーカーが航続距離の長いトラックを販売するなど、EVトラックのハードルも改善されているのです。
上記の理由から、EV充電器の設置需要増加が予想されています。
■社用車のEV化により充電器設置の必要性も高まるのか?
電気自動車の普及が進むにつれ、電気自動車を購入する従業員も増えるでしょう。これに伴い、社用車もガソリン車が廃止されEV化の流れが進み、充電設備がないと仕事に影響が出る恐れがあります。
特に中国では、政府の後押しもあり社用車に対するEV化が進んでいます。今後の動向は不明ですが、EVトラック市場にも影響が出ると推測されます。同時に、充電器設置の必要性も高まるでしょう。
■EV充電器の導入によるメリットとは?
EV充電器の導入により、施設ごとに大きなメリットが得られます。それぞれのメリットを見てみましょう。
・店舗・商業施設など
集客が必要な施設では、急速充電器の設置により集客と収入源の確保が期待できます。
集客の確保では、EV急速充電器を利用するために、店舗や商業施設などを利用する人の増加が予想されます。収入源の確保では、充電サービス料金に加え、駐車場であれば駐車料金・店舗や商業施設であれば売上高のアップが期待できます。
・住宅不動産
マンションや集合住宅などでは、EV充電器の設置率が低く、EV所有者の大半が自宅外で充電をしています。この現状から、マンションにおけるEV充電器のニーズが高まっています。住宅不動産としてマンションを所有している人にとって、EV充電器の設置は資産価値の向上対策につながるのです。
・企業
企業にEV充電器を設置すると、社用車が電気自動車であれば駐車中に充電が可能です。また、いすゞ自動車や日野自動車などのメーカーによって、EVトラックの充電器も改良が進んでおり、運送会社にも近い将来EVトラックの普及が見込まれています。
EVトラックを導入するタイミングで、車内に急速充電器を設置すると、効率の良い稼働が実現できます。福利厚生の一環として、社員が自己所有の電気自動車をチャージできるほか、企業をあげたSDGsへの貢献も可能です。
■EV充電器設置の際のポイント
オフィスや工場などの法人で、EV充電器を設置する際には、以下の3つのポイントを押さえておかなくてはなりません。
・充電設備の電源は200Vを使う
EV充電器は、多くの電気を使用します。100Vでの充電に対応できる車種もありますが、容量が不足すると停電の原因になる恐れがあります。スムーズな充電のために、200Vの充電設備を導入しましょう。
・設置工事は専門業者へ依頼する
200Vの電気機器を扱う工事は、電気工事士の資格が必要です。このため、EV充電器の設置は必ず専門業者へ依頼しましょう。EV充電器の設置に実績がある業者を選ぶことも重要です。
・電力の契約アンペアをチェックする
電力会社との契約アンペアが小さい場合、EV充電器を使用すると、社内に設置されたブレーカーが落ちる恐れがあります。通常の電力使用量や、設置する充電器の出力などを加味して、適切なアンペアになっているかを確認しましょう。まとまった台数を設置するのであれば、高圧受電契約やキュービクルの設置も検討が必要です。
■EV充電器にかかわる補助金は対象の可能性も
国は、令和5年度の自動車局関係予算として、EVトラックとセットでEV充電器を設置する予算に対し、補助金の交付を予定しています。
地方自治体では、補助金の有無や内容が自治体ごとで異なるため一概には言えませんが、石田電気工事が事務所を構える埼玉県では、電気自動車に対する補助金制度があります。
補助対象車は、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車、クリーンディーゼル自動車となっており、適用される電気自動車の種類は今後さらに増える可能性があります。
自動車から電気を取り出し、別の場所で使用できる電力へ変換する外部充電器の補助金制度もあります。ただし、対象は普通充電器の一部であり、急速充電器は対象外であるため、注意が必要です。外部充電器の補助対象は、埼玉県内に事務所または事業所を有する個人もしくは法人です。
一定要件はあるものの、埼玉県内の法人も補助金の交付対象となっています。これを機に、社内でEV充電器の設置を検討されてみてはいかがでしょうか。
電気自動車の充電器の設置を検討されている法人の方は、ぜひ石田電気工事までご相談ください。弊社では、マンション・工場・商業施設・オフィスビルなど、幅広い建物で電気工事全般を行っています。事前調査を入念に行い、現場に最適な充電器の設置方法をご提案いたします。
社用車を電気自動車に換えたい・電気自動車への乗り換えを検討する社員が増えてきたなど、社内でEV充電器の必要性が高まっている場合は、お気軽にご連絡ください。