高圧電力から低圧に変更するとお得になることも!契約電力の見直しポイントを紹介

皆さんこんにちは。

埼玉県さいたま市で、オール電化や省エネ対策、リフォーム等の電気工事一式を手掛けている石田電気工事です。


これまでのブログ記事でも触れてきましたように、オフィスビルや工場といった大型の施設では、一般的に「高圧電力」を引いています。これは、大量の電力を消費する施設では、低圧より高圧の方がメリットが大きいからです。


ただ、高圧電力から低圧電力に変更することも可能で、状況次第では低圧の方がお得になる場合もあります。ここでは、高圧電力から低圧電力に変更する際のポイントをご紹介します。




■高圧電力と低圧電力の違い



最初に、高圧電力と低圧電力の違いを簡単に確認しておきましょう。高圧電力は電圧6000V、 低圧電力は100Vもしくは200Vで供給される電力です。契約電力が50kw以上なら高圧電力、50kw未満なら低圧電力になります。高圧電力は変圧コストがかからず、送電中の電力損失が小さく、大量購入が前提といった理由により、単価が安く設定されているのが特徴です。


その性質上、オフィスビルや大型商業施設、工場、病院といった大量の電力を消費する施設は、大多数が高圧電力で契約しています。一方、それほど消費電力の大きくない一般家庭や小規模な店舗は、低圧電力で契約するのが基本です。


なお、高圧電力を受電する場合は、キュービクル(高圧受電設備)という設備を敷地内に設置する必要があります。そのため、キュービクルの維持管理が必須となる点に注意しなければなりません。


キュービクルに関する詳しい情報はこちら

https://www.m-and-i-ishida.jp/blog/category4/112957




■低圧電力に切り替えると、むしろコストが安くなる場合があります!



高圧電力よりも低圧電力の方が単価が高い以上、現在すでに高圧電力を引いている施設なら、低圧電力に切り替える意味はないように思えます。しかし実は、高圧の方がお得だとは限りません。なぜなら高圧電力を引くと、キュービクルの設置や維持管理の費用がかかるからです。


通常は維持管理費用を含めても高圧の方が安いのですが、電気使用量(kWh)がそこまで多くなければ、キュービクルがいらない低圧の方が安くなる可能性があります。また、一度に使用する電力があまり多くないのなら、負荷の容量=契約電力が50kw未満でも問題ありません。つまり、ビルや店舗でも、あえて低圧を選ぶという方法があるのです。


さらに、高圧電力の料金は過去1年間の電気使用量のピーク時(デマンド値)を基準に設定されているため、短時間でも大量の電力を消費すると1年間電気代が高くなります。低圧電力なら、基本料金+使った分(電力量料金)を支払う方式のため、一瞬使いすぎてもその後に引っ張る心配はありません。こういった点も考慮して、高圧か低圧かを決める必要があります。




■高圧電力から低圧電力に変更する際の注意点



電力の使用状況を調べてみたところ、低圧の方がお得だと判明したとしても、慌てて変更するのはよくありません。高圧電力から低圧電力に変更する場合は、いくつか注意しなければならない点があるからです。特に重要な2つの注意点をご紹介します。



・電源の種類


電源(コンセント)には、大きく分けて「単相」と「三相」の2種類があります(配電方式の違いによる)。単相は100Vと200Vがあり、一般家庭や小規模な施設向けです。一方、三相は200Vのみの業務用で、工場などの大型施設で業務用機器を動かすために使われます。


高圧電力を引いているなら、電源は三相になっているでしょう。しかし、低圧電力の電源は基本的に単相なので、高圧から切り替えると三相対応の機器が使えなくなってしまうのです。低圧電力で三相の電源を使いたい場合は、「動力プラン」という電気料金プランを契約しなければならないので、事前に施工会社や電力会社に確認してください。



・キュービクルの処分


低圧電力に切り替えた時は、不要になったキュービクルを処分する必要があります。しかし、キュービクル内部の機器には毒性のあるPCB(ポリ塩化ビフェニル)という物質が使われているケースがあり、他の機器と同じような処分はできません。


そのため、キュービクルを処分したい時は、PCBを含んでいるかどうかをメーカーに依頼するなどして確認します。検査費用は1万円~5万円程度です。検査の結果、PCBが含まれていた場合は、行政に届け出た上で適切に処分してください。


なお、PCBが含まれておらず、なおかつまだ新しいキュービクルの場合は、専門業者に買い取ってもらえる可能性があります。高圧電力から低圧電力に切り替える時は、この点もあわせて専門業者に相談するといいでしょう。



埼玉県さいたま市を拠点に電気工事全般を行う石田電気工事は、オフィスビルや商業施設、工場などの工事に幅広く対応可能です。しっかりと事前調査を行い、最適なプランをご提案いたします。高圧・低圧の切り替え以外にも、空調設備工事や各種メンテナンスなど、電気工事は何でも承っております。お困りの際は、石田電気工事までお気軽にお問い合わせください。